NPO法人マリンネットワーク 第2回マリンナレッジサークル(漁村勉強会)
日時:2013年2月2日(土) 9:00~11:00
場所:苫前町 とままえ温泉ふわっと会議室

北海道開発局農業水産部水産課 岡貞行課長を講師にお迎えし、「次期北海道マリンビジョンと最近の話題」と題して、話題提供をいただきました。当日は、講師含め36名の参加をいただき、無事終了しました。以下では、岡課長による講演の模様を動画で見られます。

岡課長から、北海道開発局で現在見直し中の北海道マリンビジョン21の概要、苫前町の地域マリンビジョンについて紹介がありました。そして見直し作業中ではありますが、苫前町を含む日本海北部地域に関して、資源・環境、生産・流通、地域振興の視点で目指すテーマ、今後の取り組み内容、地域の将来像案について示されました。

話題提供後のディスカッションで出た参加者からの意見は次の通りです。

<北るもい漁業協同組合>

  • 高齢化と後継者不足が進行しており、生産の安定化が大きな課題である
  • ナマコ、ハタハタ、ウニ、ヒラメ、サケ、ニシンなどの増殖に力を入れている。特に単価のよいナマコは、採苗して浮遊幼生は100万流ほどできるところまできたが、中間育成、放流技術に課題があり、今後、減耗を少なくすることが求められている
  • 磯根資源の管理のためにも漁港近くの漁場環境づくり(藻場造成など)をしてほしい。港内に蓄養水面を作れないか
  • 苫前地域では、漁業者はそれなりの生産を挙げているが、ホタテ貝柱の小型化のような問題が起きており、資源量と生産額の安定化を進めたい。そのためホタテ成貝の輸出に取り組むなど流通面でも努力している。
  • 漁港内の衛生管理上の問題としてホタテ養殖かごの洗浄施設の整備をしたいと思っているが難しいか
  • 雪を利用した市場の冷房施設があるが、雪貯蔵庫の容量が少ない。蓄養に利用するなど他の冷熱需要もあるので、貯蔵庫の整備ができないか

<参加者から>

  • 中国産のナマコは質が悪いうえ、ロシア産ナマコが輸出されているので、ナマコの下落は続くのではないか
  • ナマコは低層に生息するので、蓄養施設も水深を変えることで複数の生物を飼うなど可能
  • 中国国内の乾燥ナマコは、20万円/㎏~5万円/㎏の価格帯があり、北海道産の品質の良いものは20万円クラス。いいものを作れば価格競争に勝てるのではないか

<質問>

  • 日本海北部沿岸の海獣被害の状況を教えてください

<北るもい漁業協同組合>

  • 日本海一帯で被害が出ている。実際の被害は被害届が出ている金額の倍以上はあると思う
  • 駆除ができないなら、漁網の補償、漁獲物の補償、休漁補償の要望を国に求めるような動きになっている

<町長>

  • 駆除できる人の数が少ない

<質問>

  • 消費者ニーズをとらえた生産・流通の取り組みを展開できないか。最近はファストフィッシュといって、食べやすい形に加工して販売するとか、ちょっとしたブランド化で売れているものもある

<北るもい漁業協同組合>

  • 八角のブランド化(はっかくのとくさん)、シダックスと連携して大阪でエビなどを販売している。女性部の力も借りて展開していきたい
  • 衛生管理と雪氷エネルギーも観光資源にして地域振興路展開していきた
  • 外来船の基地になっているので、船主との意見交換なども行う予定
  • 防災対策で港に、2階建ての避難場所(交流場を兼ねた)を作れないか

<岡課長>

  • 気仙沼では市場の屋上に約1000人が避難して難を逃れた事例もあるので、港にそのような施設があれば安心感はある

以上