苫小牧港漁港区刺し網漁業体験と意見交換会のご報告

平成26年1月25日未明より、苫小牧漁業協同組合さんにNPO法人マリンネットワークが協力し、苫小牧港漁港区においてスケトウダラ刺し網漁業の網はずし体験と苫小牧の水産業に関する意見交換会を実施しました。参加者は将来の土木業界を担う若者たちで北海道大学の工学部環境社会工学科3年生7名、大学院工学研究科修士1年の2名の学生9名ほか、全員で12名です。

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一般に、漁場から漁船に引き上げた網にかかったスケトウダラは、港に寄港するまでの間に船上で網はずしをしますが、漁獲量が多いと寄港してから港で網はずしの作業が続きます。スケトウダラ刺し網の漁期は12月から2月の真冬、しかも真夜中に作業が行われるので、吹きさらしの岸壁での長時間作業は本当につらいものがあります。作業する人がつらいだけでなく、あまりの寒さに魚も硬くなって、網から外れにくくなります。

今回の体験では、日頃まず見ることのない、漁業の作業環境、重労働を体験するとともに、漁業協同組合の方から漁業の現状をお聞きし、問題点などをディスカッションするものです。体験は夜中の2時~3時、ディスカッションは3時~4時と、ほぼ徹夜に近い状態で挑みました。

ディスカッションでは、澤口組合長からの地域漁業の現状についてのお話のあと、学生、漁協の職員、苫小牧市役所、報道関係者らが参加して熱心な意見交換をいたしました。学生からの質問・提案も様々で、作業環境等に配慮した施設整備、スケトウダラ需給・価格・流通、漁業後継者などの問題について質問があり、漁協からはスケトウダラほか魚価安や消費拡大に対する漁協の取り組み、苫小牧の漁業の操業時間に関する説明、若い漁業者の就業状況・収入に関する説明、燃油の削減など漁業の効率化のために漁協が取り組むことと現在必要とされる技術開発や課題について説明をいただきました。次回は飲みながらお話ししたいですね。最後は岸壁で記念撮影です。

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翌朝は漁協女性部が地元の水産物を使い朝食を用意してくださいました。メニューは「ホッキフライカレー」「スケトウダラ三平汁」「シーフードサラダ」「たらこの醤油漬け」などです。朝食時も漁協さんとの意見交換は続きました。

DSC_1343OLYMPUS DIGITAL CAMERA最後になりますが、苫小牧漁業協同組合、女性部、漁家の皆様には準備なども含め大変お世話になりました。ありがとうございました。
こちらが漁業体験の様子です。

朝日新聞、苫小牧民報、北海道新聞の記者さんにも取材していただきました。WEB版の記事をご覧ください。
http://www.asahi.com/articles/ASG1V41YXG1VIIPE00J.html
http://www.tomamin.co.jp/2014019274